2012年09月28日

雑司が谷霊園/馬野ミキ

池袋を東口から出て大通りをまっすぐ護国寺方面へ15分ほど歩き
都電荒川線に沿って右手に歩いてくと雑司が谷霊園という巨大な墓地がある
夏目漱石や小泉八雲、竹久夢二なんかも眠ってる
そこで数ヶ月前、夏がくる前くらいだっただろうか
蛇口くんと待ち合わせをした
熊谷くんだりから東京に出てくる際にはそうしてたまに連絡をくれる。

蛇口くんはマントをはおって映画の撮影をしていた
広野くんの活弁映画にまた出るのかなと思ったら違って
早稲田のカフェバー主催の自主映画に主演で出るのだという。
蛇口くんはマントをなびかせ、墓地を飛んだり跳ねたりしていた
俺は墓場の影でパック酒を飲んでそれを見ていた
近所の人たちが犬を連れて散歩したりジョギングしたりしている
墓場ではあるが、文化人や芸術家が多く眠っているせいかこういった撮影にも寛容らしい
俺も飛び入りで土木作業員の役で出演した
それから二人で昼から飲める酒場へと西口に向かって歩いた


16で上京した時、雑司が谷に住んでいた
都電のホームのすぐ横
3畳二間という変わった間取り
ねずみが出て、ねずみホイホイを仕掛けたら蛆が湧いたりした
今は駐車場になっているな 大家さんは元気だろうか。

時はバンドブームで、いわゆる歌謡曲がチャートから追い出され
その後J-POPという訳の分からない言葉で音楽業界が再編されるまで
俺も一人の若者としてそのムーブメントの中心にいたような気がしたが
たよってきた東京のバンドを脱退し
シンナーを吸ってライブハウスへ行き
ライプハウスのパンクバンドは居酒屋で女としゃべってセックスしてるだけじゃないのかと
どうやったら本当に世界が変わるだろうかと
友達を作ることもなく
一人ぼっちに、明け暮れた。
日比谷野音でライブをやった後に国会議事堂を包囲するルートを調べたり
空想の競馬新聞を作り、空想の競走馬を競わせたりしていた

東京はまだ今より大きく
とても俺の手に負えるようなものではなかったと思う
思い込みと被害妄想と社会に対する怒りと理由のない自信、そういうものがごった煮になり攻めぎ合っていた
バイトは転々としたが当時は無職という発想が無く、よくがんばったなと思う
もちろん常に職場には多大な迷惑をかけたが・・
4月に上京し、9月に新宿で銃刀法で逮捕された
俺はナイフを持っていた
背中に自筆の文字で反米愛国と書いといたので駅構内で職務質問されたのだ
俺は留置場で小山ゆうの漫画を読んだ
逮捕されると、もうがんばらなくていいので気が楽になった。
















posted by jagumi at 20:53| Comment(0) | 馬野ミキ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。